ライフネット生命 定期育成採用

パラキャリ部座談会

パラキャリ部のはじまり。
それを、
新しい「働く」のはじまりに。

パラキャリ部。

それは「パラレルキャリア」をキーワードに集まった、仲間たちの部活動。どんなきっかけで創部したのか。これから、何をしていくのか。そして、複業・パラレルキャリアが世の中の注目を集めるいま、ライフネット生命の考える「パラレルキャリア」とはどんなものか。できたてのパラキャリ部を引っ張る部員たちが、語り合います。

  • 「ライフネット生命 × 人事コンサルティング」
    岩田 佑介
    コーポレート本部 人事総務部 マネージャー/2016年 中途入社

  • 「ライフネット生命 × 執筆」
    後呂 佳那
    コーポレート本部 法務部 部長/2015年 中途入社

  • 「ライフネット生命 × 大学 非常勤講師」
    篠原 広高
    コーポレート本部 人事総務部/2016年 中途入社

複業には、応援がいる。

篠原:パラキャリ部は、岩田さんのアイデアから始まったんですよね。

岩田:そうですね。会社から複業が認められて、僕が法人の代表になったんですけど、いざ始めてみるとわからないことだらけで、悩んじゃって。複業を本格的にやっている先輩をランチに誘いました。たった1時間のランチでたくさんのノウハウを教えてもらえて、かなり前進できたなという実感があった。その時に思ったんです。同じようなことで困っている人って、けっこう多いだろうな、と。「複業やってみたいけどわかんない」という人に、先輩がメンターとして情報提供する。それを形にしたいと思いました。

篠原:社内で10人集まると、部活動にできますからね。

岩田:興味ありそうかな、という人にかたっぱしから声をかけて。

後呂:私もその1人です。嬉しかったですね。パラレルに興味ある人って意外と多いんだな、という発見もありました。あと、これだけいろんなスキルをもったメンバーがそろえば、いろんなことができそうだと思いました。

篠原:部のサイトも立ち上がってますけど、夢というか妄想というか(笑)、いろいろ広がってますよね。

岩田:はい(笑)。複業について悩んでる人って、ライフネット生命だけじゃなくて、きっとあちこちにいる。だから社内だけで閉じるのはもったいない。たとえばインカレサークルみたいに、会社の枠を超えて「複業したい人」と「複業経験者」が出会える場所にできたらとか、あれこれ考えてます。

篠原:いま、世の中的にも複業・パラレルキャリアのニュースが連日報道されています。でも、浸透したとはまだまだ言えないですよね。「複業OK」ってとりあえず言ってみたものの、黙認に近い承認で、応援まではしてない。だからこそ、パラキャリ部として取り組む意味があると思う。ライフネット生命にはもともとお互いに尊重しあい、応援しあう文化がある。パラキャリ部が活動を広げていく土壌が昔から存在している。

パラキャリを広げるには、妄想を広げること。

岩田:パラキャリ部のビジョンとして、「パラレルキャリアの推進を通じて、自分らしく働ける社会をつくる」を掲げました。得意や不得意にかかわらず、ひとつの会社で与えられた仕事と向き合わなきゃいけないのがこれまでの世界。パラレルキャリアが推進されていけば、得意なことを組織の枠を超えて活かしていく世界になるんじゃないかと思うんです。いちばん好きな自分で、いちばん自分らしく自己表現できる場が、あちこちの組織に生まれていく。

篠原:今回ライフネット生命では新たに「パラレルイノベーター採用」をはじめました。「パラレルイノベーター採用に応募する人って、誰?」というのをイメージしたら、「やりたいことをひとつだけには絞れない人」が浮かびました。そういう人にとっての選択肢って、「何かをあきらめて勤め人を選ぶか、リスクを背負ってやりたいことで起業するか」のいずれかだった。パラレルキャリアは、どちらもやるという第3の選択肢だと思うんです。

岩田:そう、「起業するにはリスクを取らなきゃいけない」という固定概念が、日本の起業率を下げている大きな原因だと思います。組織に所属して、日々の仕事の中で才能を磨きながら、自分でも事業を始めれば、確実にそのリスクを下げることができるはず。そういう働き方を、僕たちから実践していけたら。

後呂:いま「複業」というと、どこかの会社に所属しながら、起業して自営業として活動するというイメージが強いですよね。でもそれだけじゃ、個人としてやっていけるスキルがないと複業できないの?ということになってしまう。起業という形をプラスするのではなく、2つの会社に所属するという複業があってもいいはずなんですが、そのためには、法律的に乗り越えなきゃいけない壁もありますね。

篠原:労働時間の合算の問題がありますからね。働くことの多様性が叫ばれていて、複業も広がってきてはいるものの、現実的に個人がやりたいことを実現しようと思ったら起業してやるのが手っ取り早いんですよね。いまのところ。

後呂:そう考えると、まだまだ発展途上かもしれませんね。これまでの「兼業」というと、パラレルというより、どちらかがメインでどちらかがサブ、という価値観のように感じます。

岩田:かなり昔ですけど、「アイ・カンパニー」という概念がちょっと流行りましたよね。
あれが働き方の最終形かもしれないと思うんです。個人がライフビジョン、ライフミッションを持ち、それを実現できる会社に個人事業主のような形で入っていく。ただ、そこまでの価値観はいまの社会には根付いていない。だからメインの雇用先がまずあって、個人のビジョンを100%体現するためにパラレルキャリアとして法人を立ち上げたり、フリーランスになる。それが現状ではいちばんナチュラルだし、法的にもクリアだし、推し進めやすい形なのかな。でもその先の広がりを考えた時には、後呂さんが言ったように法律が壁になっているから、それもどうにかしたいですね。パラキャリ部で行政を巻き込んで、いっしょに改革していったっていい。また妄想が広がってますけど(笑)。

篠原:いいじゃないですか(笑)。行政の巻き込み、ぜひやりたい。パラキャリ部を通じて広く世の中に発信していきたいですよね。

複業とは、お金か。

篠原:なぜ複業が広がりつつあるのかというと、個人の視点からいえばダブルインカムを実現したいという側面もあると思います。ひとつの会社に所属するだけで自然と給料が上がっていくわけではないし、終身雇用という仕組みも機能しづらくなっている。だから個人が自立して収入を増やそう、と。僕はパラレルで大学の非常勤講師をやってるんですけど、この仕事単体で考えるとコスパが悪いと思います。かける時間の割には儲からない。

岩田:確かにそうですよね(笑)。

篠原:それでも非常勤講師を6年続けているのは、生の学生たちと接する効果を感じているから。企業の人事として向き合うと、どうしても学生は仮面をかぶっちゃう。彼らの素の姿の肌感を持っておくと、信頼関係の構築がスムーズにいきます。逆に人事としての経験があることで、リアルな社会の話を学生たちに届けられます。この相乗効果は、お金ではなかなか買えません。

後呂:いま執筆の仕事が来ているんですけど、篠原さんと同じでお金にはなりません(笑)。ただ、テーマが「AIとロボット法」。興味はあるけど、なかなか手が出なかった分野なんです。執筆を機会に、それを一から学べるのは嬉しい。

岩田:ライフネット生命の仕事だと、法務部の案件としてはまだ無い分野ですよね。

後呂:ですよね。あったとしても、少し先の話かもしれない。だから私の場合は「本業にフィードバックできるか」という基準で仕事を選ぶというより、声がかかった仕事の中から、興味があるものに向かっていく感じ。ライフネット生命で活かせるかどうかを基準にすると、むしろ経験の幅が狭くなる気もしちゃう。そういう枠にとらわれずに自己成長を考えたい、というところはあります。それに、未知の分野に触れるのは純粋に楽しい。

人生を、彩るもの。

篠原:一方で、岩田さんがパラレルで手がけている人事コンサルって、本業にものすごく近いですよね。

岩田:そうですね。組織や人事に関わっていく上で、もしパラレルという選択肢がなければ、道はふたつにひとつなんです。ライフネット生命のような事業会社で人事をやるか、それともコンサルになるか。ただ、それぞれ一長一短なんですよ。たとえば事業会社の人事では社員の顔も見えやすいし、組織の温度感を肌で感じることができるけれど、コンサルのようにたくさんの企業に触れることはできない。パラレルキャリアは、それを解決する方法だったんです。

後呂:そのジレンマは、いろんな人が感じてると思います。私の場合はトレードオフの関係と切り替えました。でも、パラレルで解決できるなら、たしかにそれがいちばんかもしれない。

岩田:それに、複業だと思い切って仕事の相手を選べるメリットもある。同じコンサルでも、そこは前職とぜんぜんちがう感覚ですね。前職では、クライアントが目指す世界を、たとえどんなものであっても実現しますというアプローチでした。いまは、それが自分にとっても目指したい世界なのかを考えて引き受けることができる。たとえば「目先の利益を出したいから、人件費を下げたい」のような、社員のことをちゃんと考えていない仕事は絶対にやらない。

篠原:僕にもパラレルでやりたい基準があります。それは「見える世界が変わるかどうか」。大学ではキャリア教育の授業をしているんですが、物書きをめざす学生が多いんです。彼らは書くのは大好きでも、それを人に見せたり、フィードバックを受けるのは不得手な子もいます。対話型のコミュニケーションが苦手な子も。ガクチカ話が求められるような、いわゆる「就活」では苦労することも珍しくありません。
そんな彼らが、得意な「書く」ということを通じて社会とつながったらどうなるか。壁にぶち当たり、なにを感じ、どう自分を変えていけるか。そんなことを最近考えています。1コマ90分の座学中心の授業では限界もあるので、次はゼミ形式でやってみたい。だから「今やっているのと同じ授業を他でもやってください」と言われたら、やっぱりためらいますね。

後呂:おふたりの話を聞いていると、「目の前にいる人のために、何ができるか」を大事にされている気がしますね。すごく高い視座から言い換えてしまうと「社会のために」ということかもしれないんですけど。

岩田:うん、たしかにその通りですね。

篠原:自分の得意なことを通じて、影響を与えられる相手を増やせるのはパラレルのいいところですよね。しかも、並行してやるとそれぞれは薄まらず、逆に濃くなっていく。成長や、自己実現や、世の中を変えていきたいという想い。そういう思考を持つ人には、パラレルには向いていると思います。

岩田:人生を何で彩るか、ということですね。何かと何かを並行させて、人生の彩りを増やしていくからこそのパラレル。そう考えたときに、「仕事で人生を彩りたい」という人のためにパラレルキャリアという選択肢があるんだと思うんです。パラレルって、「平行・並列」って意味じゃないですか。つまり両方きちんと立ってなくちゃいけない。「本業が上手くいかないから複業で」という逃げの手段になってしまったらパラレルとは呼べないし、続かないのかな。

篠原:こういう気づきをどんどん発信できたらいいですよね。

「意識高い系」にしない。

後呂:おふたりは、パラレルキャリアについてとても考えてますよね。まず、「キャリア」についての問題意識もあるし、発信型で取り組まれていて。なんだか、パラレルキャリアのハードル上がっちゃわないかなと。わたしはそこまで考えてないから(笑)。

岩田:そんなことないでしょう(笑)。

後呂:振り返ってみると、私の複業のきっかけは、自分から何かを発信したというではなく、ご縁と機会をいただいたからです。法科大学院のTAやセミナー講師や執筆もそんな感じで始めました。ご縁と機会をいただいてうまく乗る。与えられたことをまずは楽しんでやりながら、自分に何が向いているのか、何が好きなのかをつかんでいく。そんな感じで、自分の経験の広がりを楽しんでいます。ただ、計画性はないです(笑)。こんな取り組み方もあるので、問題意識が高くないとパラレルできないんだよ、という誤解がないといいな、と思います。

篠原:いや、その通りですね。

岩田:僕自身もあらためて考えると、けっこう直感で動いているかも。直感的にやりたければやる。赴くままに。Planned Happenstanceという理論がありますよね。個人のキャリアとは、予期せぬ偶然の出来事に大きく影響されるものであり、その偶然に対して最善を尽くし、より積極的な対応を積み重ねることによって良いキャリアになるという考え方です。その、何かが起こる確率を高めるのがパラレルキャリアなのかもしれません。実際に、パラレルを実践するうちに僕自身のスタンスも変わってきている。もともとは自己成長のためだったけど、いまはそんなことほとんど考えてないんです。自分で考えたことを世の中に投げていく、それ自体を楽しむようになってきた。

後呂:いろんな価値観があると思うので、パラレルキャリアを選ぶ目的って、人それぞれでいいと思います。収入のリスクヘッジのためかもしれないし、専門性を高めるためかもしれないし、新しい専門性を身につけることかもしれない。もっと言うと、(一つのことに集中すべき時期はあるので)パラレルキャリアが正解でもないし、仕事以外の方法で自己実現するという選択肢もある。これが正解だ、みたいになっちゃうとよくないんでしょうね。

輝け、山手線。

篠原:ここまでパラレルのよさを話してきましたけど、とはいえ大変なことも多いですよね。僕の場合は、やっぱり時間の管理。毎週木曜日は15時に上がらせてもらって大学に行くんですけど、やっぱりその前日、翌日はあわただしくなってしまう。かっこわるい話なんで、あんまり言いたくなかったんですけど(笑)。

岩田:よくわかります。これが、もしやりたくない「労働」をやらされているんだとしたら、絶対にムリですよ(笑)。こんな言い方をすると会社やクライアントに失礼かもしれないけど、本業も複業も、プレイ・遊びというか、自分の中では楽しみだと捉えているからいける。

後呂:篠原さん、お子さんいらっしゃいますけど、ご家族の反応はどうですか。

篠原:そこは理解してもらっています。子どもに常々「働くのってすごく楽しいよ」って話をしているんですけど。パラレルをやることで、そのメッセージがもっと強まって、伝えられることが増えていると思ってます。

岩田:さっき「労働」という言葉を使いましたけど、パラレルキャリアが広がっていけば、ほんとうにやりたいことだけをやって生きていく人が増えていくんじゃないかなと思っています。AIに頼らなくても、人類はいわゆる「労働」から解放されるかもしれない。

篠原:子どもたちのなりたい職業ランキング1位が「パラレルワーカー」になったりして。大人たちも「どんなパラレルしようかな」って目がキラキラし出して、山手線が輝いて見えたり(笑)。

後呂:就活もパラレルが前提になると面白いですね。

岩田:「週3日勤務の内定1社決まってるんですけど、もう1社パラレル先をまだ探してて」みたいな。

篠原:いまはまだ「入社したら3年間はガマンしろ」とか「まずその会社なりの専門性を身につけろ」という考えが残っていますけど、それを外したらどうなるかというのは興味がありますね。その人が生まれ持った個性をそのまままっすぐ伸ばしてみたら何が起こるか。

岩田:新卒からいきなりパラレル。ぜんぜんありですよね。自分のどこを研ぎ澄ませばいいかわかっている人なら、はじめからパラレルでそこを伸ばしていくのはすごくいい。そういうパラレルイノベーターが、今回の新しい採用の仕組みで、うちに来るんですよね。「やばい、勝てない」みたいな人が。

篠原:来ますよ(笑)。

岩田:僕もがんばらなきゃ(笑)。

いわたゆうすけ:
前職は人材会社。中小企業・ベンチャー企業支援政策に携わる中で、各地の起業家たちと出会ったことをきっかけに自分も起業を決意。その後、ライフネット生命に転職し、採用、教育研修、労務、制度づくりなどを広く手がける一方、今年から、人事コンサルティング会社の代表として、本格的にパラレルキャリアでの活動をスタート。パラキャリ部の部長。

うしろかな:
法律事務所にて、公益法人に関する業務や企業側での労働案件等を弁護士として経験したのち、ライフネット生命に転職。リーガル・コンプライアンスの担当部署である法務部に所属。入社前から、法科大学院でのTA(ティーチング・アシスタント)をパラレルで活動し、2017年春まで活動。現在、出版企画の執筆に挑戦中。

しのはらひろたか:
人材ベンチャーに4年間勤務し、営業と採用コンサルを経験。その後、フリーランスに。大学生向けカフェの運営、人事向けの講演などを行ったのち、ライフネット生命へ。人事として、新卒採用や中途採用、育成企画を行っている。入社前から行っていた大学での非常勤講師を現在も続けている。