「ネット生保のような単純なビジネスモデルで、ライフネットはどうやって差別化していくのか?」。このように聞かれることがありますが、私はいつも以下のように答えています。
「差別化の決め手は、志の高い人材に仲間に加わってもらい、彼らに最大限の力を発揮し続けてもらうことしかない」たとえば、「ネットで本を売る」というのはいかにも簡単なアイデアで、大手書店も含め多くの会社が参入しましたが、結局はアマゾンドットコムが「独り勝ち」に近い状態を確立しました。同社のビジネスモデルは、優れた発明のようなイノベーションとは言い難いかもしれません。あるのは、どこよりも優秀な人材が、お客様の利便性を上げるためのちょっとしたカイゼンを、どこよりも早く、そして気が遠くなるほど徹底して、進めてきたのです。
保険会社には、人材と紙とコンピュータしか資産はありません。私たちは経営者として、ライフネットで働く一人ひとりの仲間が、ちょっとずつ背伸びをした責任と権限を持ち、金融業界の地図を塗り替えていく壮大な挑戦、個人マネーの動きを変えていくワクワクする仕事に携わりながら、継続して成長していける環境を提供することを約束します。
2人でライフネット生命を創り始めてから、早くも、5年以上の月日が流れました。パートナーとしての岩瀬の優れたところは、何よりも素直であることだと思います。彼のような優秀なバックグラウンドを持つ人間が、素直であり続けることは、実は大変難しいことだと思っています。旅の仲間には、お互いの信頼感が何よりも強く要請されます。僕と岩瀬は、親子ほど年が離れていますが、正直なところ、この5年間に年の差を感じたことは、一度もありませんでした。それほど、信頼感が強かったということでしょう。得難いパートナーを得たことを、いつも感謝しています。
なお、私と岩瀬の2人の出会いについては、拙著「直球勝負の会社」の中で詳しく触れていますので、皆さんにもぜひ読んでいただければと思います。